大英個別指導学院庄内通校の西森です!
30記事まで毎日投稿の17記事目です!!
きづけばはや…17記事目!はやい…ような気がします。(笑)
実は、西森は読書が好きです。
実はも何も、塾講師って言ったらそういうイメージをお持ちかもしれませんが(笑)
ただ私自身は、本を読み始めたのは大学生になってからです。
なので小さい頃から本を読んできたタイプでは全くありません(笑)
なのでものすごく遅読家(読むのが遅い人)です。
巷では速読が流行って(?)いますが、いいんですよ読書くらい。
背伸びせずに読書を楽しみましょう。
ということで本を高校生まで全く読んでこなかった西森だからこそ、
何か紹介できるのではないかということで不定期で本を紹介していこうと思います。
「不定期?ネタがないときでしょ?」という勘のいいあなた。
やさしく見守ってください。(笑)
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ということで今回は平野啓一郎『ある男』を紹介します。
作者:平野啓一郎さんとは
1975年、愛知県生まれ。北九州市出身。
1999年、京都大学法学部在学中に投稿した『日蝕』(にっしょく)で芥川賞受賞。
平野啓一郎『ある男』(文芸春秋,2018) 著者プロフィール欄より抜粋
生まれと出身の違いですが、
平野さんの場合は2歳ごろまで蒲郡(がまごおり)市ですごし、
その後北九州市に移ったそうです。
芥川賞の受賞など、日本を代表する小説家の一人といって過言ではないでしょう。
ちなみに彼の文章は、評論・小説ともに入試問題として出題されたこともあります。
あらすじ
これに関してはネタバレの可能性も考慮して、特設ページからまずは引用します。
愛したはずの夫は、まったくの別人であった。
—「マチネの終わりに」から2年、平野啓一郎の新たなる代表作!
弁護士の城戸は、かつての依頼者である里枝から、「ある男」についての奇妙な相談を受ける。宮崎に住んでいる里枝には2歳の次男を脳腫瘍で失って、夫と別れた過去があった。長男を引き取って14年ぶりに故郷に戻ったあと、「大祐」と再婚して、新しく生まれた女の子と4人で幸せな家庭を築いていた。
ある日突然、「大祐」は、事故で命を落とす。悲しみにうちひしがれた一家に「大祐」が全くの別人だったという衝撃の事実がもたらされる……。里枝が頼れるのは、弁護士の城戸だけだった。人はなぜ人を愛するのか。幼少期に深い傷を背負っても、人は愛にたどりつけるのか。「大祐」の人生を探るうちに、過去を変えて生きる男たちの姿が浮かびあがる。
人間存在の根源と、この世界の真実に触れる文学作品。
「『ある男』特設サイト」 https://k-hirano.com/a-man より引用
ストーリーの流れはこれで十分でしょう。
西森の感想
『ある男』の全体の主題を僕なり解釈すると
人を純粋に愛するということはどういうことか
という点に限られると思います。
これまで生きてきて、同性異性そのほかに限らず、
人のことが「好きだな」「素敵だな」と思うことがあったと思います。
でもその感情って本当にその人の中身だけを見てそう思えているんでしょうか。
例えばその人がやさしい人だな、と自分が感じたとします。
その評価に、
「ルックス」「ファッション」「出身地」「肌の色」「職業」「性別」「経歴」ほか
いろんなものが混じっているんではないでしょうか。
強面(こわもて)の人はやさしいと評価されにくいでしょう。
世界では黒人であるという理由で、犯罪の被疑者として疑われてしまう国があります。
そう考えると純粋にその人のことを中身(事実)だけで評価するのは難しいというのがわかると思います。
そしてそういった「混じったもの」が失われたとき、人は自身の評価を維持できるでしょうか。
お金持ちだと思っていた人が、お金持ちでなくなったとき「やさしい」という印象を維持できるのか。
これをダイレクトに問うているのが、本書だと思います。
これだけ伝えようとするものが明確な小説はともすれば、ストーリーが無味乾燥になりがちです。
しかし本書は、推理小説家も驚きのストーリーを用意し、
その物語だけで十分に楽しめる内容に仕上がっていると思います。
中学3年生から高校生なら読めるかな、と思います。
ということで平野啓一郎『ある男』をご紹介しました。
3月のおススメ本として校舎にも置いておきますので、ぜひ読んでみてくださいね。
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